Googleのクラウド AndroidとChrome OSはAppleやMicrosoftやTwitterを陳腐化する

インターネットの未来は、Googleが覇王となるかどうかは別として、クラウドを制するものがネットビジネスを制することは間違いないだろう。

よって、まずTwitterはクラウドではないから脱落。

また、AppleもiPhoneでかろうじて、Googleの助けを借りてクラウドに足を引っかけているものの、これまた脱落。

結局は、GoogleとMicrosoftの二大巨頭による、すさまじい戦争が繰り広げられる可能性が一番高いと言えるだろう。

Googleのクラウド専用Chrome OS

Googleが、セルゲイ・ブリン(Sergey Brin)とラリー・ペイジ(Larry Page)の天才的創業者から、エリック・シュミット(Eric Schmidt)に経営が移行して、とうとう目に見える形でこの怪物が姿を現したというところだろう。

たとえ、現在の姿が不細工で滑稽で貧相であっても、GoogleのChrome OSがクラウド専用であるところが、大きな脅威となるのである。

今日からソースコード公開―Google Chrome OS発表会レポート(Q&Aも)

コンピュータ上にあるアプリケーション・プログラムはカスタマイズされたブラウザだけだ。それ以外のアプリケーションもデータもすべてクラウド上にある。 これがカギとなるコンセプトだ。われわれはパーソナル・コンピューティングを完全にクラウド化する。

要するに、Chromeブラウザーを動かすためだけのOSということらしい。

この貧相さというかシンプルさのメリットは、Windowsの鬱陶しさを解消してくれる。

だから、たとえばユーザーがマシンを紛失したとして も、単に新しいハードウェアを買えばすぐに仕事を再開することができる。すべてがインターネット上にあるのでセキュリティーに対するアプローチもまったく 異なったものとなる。これほど高度なセキュリティーが実現できたシステムは他にない。

さらには、Googleが支配しようとする領域が示される。

ハードウェアに関しては、ネットブックの成長が目覚ましい。不況のさなかに爆発的に成長した。超薄型、超軽量マシンに人気が出た。アプリケーションの場所 はデスクトップからウェブに移行しつつある。それが明らかなトレンドだ。ウェブこそ現在もっとも成功しつつあるプラットフォームだ。

アプリケーションもデータも、クラウドに存在するようになる。

他方で、データの閲覧や操作は、ローカルマシンに依存しなくなる。それどころか、ビジネスでもっとも求められているモバイルが射程なのである。

コンピュータの主流は ノートパソコンからネットブックに移行している。一方、モバイル分野では携帯電話からタブレットへの移行がスケジュールに上っている。いずれにしてもこれ らはすべて本質的にはコンピュータだ。ノートパソコンが携帯に近づき、逆もまた起きている。すべて常時インターネット接続を前提としている。

こうして、既存のデスクトップやノートパソコンも破滅させられ、ネットブックさえChrome OS稼働に特化して再創造されるだろう。

スマートフォンさえ古めかしく、タブレットでうごくAndroidが、ケータイやiPhoneを駆逐する。

Googleの同時多発的な既存企業の破壊活動

当然、MicrosoftがPCで支配的な市場ばかりがターゲットではない。

つまり、かつてのYahoo!を中心とした旧世代検索を壊滅させたように、Google Phoneは、AppleのiPhoneをも脅かす。

また、企業に勤めたことのない人が作ったママゴトTwitterは、エンタープライズのニーズを吸収できずに、クラウド型SNSに席巻されることも間違いない。

iPhoneとTwitterは、クラウドで支配的になれないことによって、先駆的な役割を全うして主役から引きずり下ろされるのである。

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