GoogleとYahoo!の2008年11月の日本における検索シェア

インターネット視聴率においては日本の第一人者とおぼしき衣袋宏美氏が、かつてGoogleが発表したYahoo!とのシェア比較の発表に疑問をなげかけている。

いつになったら日本の検索シェアは正しく発表されるのか

順を追って見ていこう。

Yahoo!の背中見えた? グーグル日本法人が「よい年だった」 - @IT

グーグルが示したNetRatingsのサーチシェア調査(2008年11月)によると、Googleのシェアは41%で、44%のYahoo!との差が縮まってきた。

つまり、NetRatingsの「2008年11月」のデータでは、Google 41%、Yahoo! 44%ということである。

これに対して、衣袋宏美氏の記事。

グーグルが示したNetRatingsのサーチシェア調査に誤解あり:イザ!

ネットレイティングス調べという形でグーグルが2008年12月22日に開催した同社会見において、Google41%、Yahoo44%という発表を行ったという報道があった。

そんなにシェアで差が縮まっているかなあという違和感を 覚えたのは記憶しているが、報道記事はそのままこのブログには引用しない方針なので放っておいた。すると2009年1月15日ネットレイティングスの Nielsen Online REPORTER 2009年1月15日号において、これをやんわり否定しているとも取れるメールが飛んで来た。

では、Nielsen Online REPORTER 2009年1月15日号の記事はというと、

日本の検索サイトの利用状況:マーケティング – CNET Japan

Source:Nielsen Online NetView 2008年10月

つまり、Googleの自画自賛発表は「2008年11月」であるのに対して、衣袋宏美氏が「やんわり否定しているとも取れる」と指摘する記事は「2008年10月」のものになっているわけだ。

しかも、最初のGoogleシェア拡大の記事では、ストリートビューのスキャンダルも後押ししたとあるから、10月よりも11月の方がさらに利用者が増えている可能性もある。

なお、衣袋宏美氏は、

まさにメディア報道の表層だけで拙速に判断せず、自分できちんと金を払って価値あるサービスを使い、正しく判断活用し、情報発信している姿勢な見習いたいものだ。

と絶賛している記事は、

Yahoo! JAPAN とGoogle、実際の検索シェア‐SEM酒場

であるが、ブロガーの方は業界の人らしいので、「自分できちんと金を払って」というのも、個人が自腹を切ったのか、所属の会社が購入しているものなのか、よくわからない。

ということで、私としては、さらに混迷が深まっただけという印象である。

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