Appleの「iTunes税」18億ドル(1675億円) iTS全1000万曲がDRMフリーiTunes Plusに

Appleが、iTunesストアの全1000万曲をDRMフリーの「iTunes Plus」に移行させると発表した。
まず800万曲が、多分日本以外で、Plus化されている。

そして、「Apple税」という比喩の話ではなく、「iTunes税」というか「音楽税」が確実に発生するようだ。

iTS(iTunesストア)では60億曲を販売、それらがPlusにUpgradeされると…

あまり大っぴらに言えないのだが、私のUSアカウントのiTunesでは、iTunes Plusへのアップグレードが表示されている。
日本アカウントの方は、iTunes Plusへのリンクさえ消えている…

参照:アメリカのiTunesストアで曲やミュージックビデオを購入する

それはともかくとして、Appleは60億曲を売っているらしい。

iTunes、60億曲を売る―その他フィリップのキーノートから数字トリビアをいくつか

  • iTunesは現在までに60億曲を売った。(昨年7月に50億曲を突破している)。
  • iTunesでは1000万曲が購入可能。
  • 本日から、800万曲がDRMなしになった。全1000万曲は3月末までにDRMなしになる予定。

そして、次が興味深い。同じくTechCrunchのエントリーから。

DRMフリーへの移行費用: Appleの18億ドルの隠れ音楽税

デジタル音楽のDRM時代はやっと終わりを迎える。

既存のiTunes Libraryの全体を同じ曲のDRMフリーのバージョンにアップグレードしたい人は、簡単にワンクリックでできるが、1曲につき30セントの費用がかかる。そうです、すでに買った曲にまたお金を払うのであります。えーと、60億曲 X 30セント = 18億ドルが、アップグレード料金の最大額だ。これぞまさに、音楽税である。レコード会社が態度を軟化したのも当然だね。

でも、それすら、彼らを救わないだろう。

実際、私もiTS USで購入したDRM付きAACは756曲もあり、もしPlusにアップグレードする場合は200ドル以上を支払わなければならない勘定になる。

おそろしや~

ところで、上記のTechCrunchの論説であるが、基本的にインターネット・ビジネスの先鋭者は、既存の「著作権」には否定的である。ユーザーに不利益であり、産業の発展を阻害していると判断しているからだ。

日本でも、「文部科学省・文化庁・著作権課」ごとき、霞ヶ関の末席の小役人が大きな顔をしている始末である。

私的録音録画補償金制度やダビング10をめぐっては、メーカー代表の経済産業省が日本の恥としていわゆる「iPod課金」を潰しにかかり、著作利権者集団・著作権課タッグチームとバトルを繰り広げた。

要するに、インターネットのない時代に作られたアナログ著作権は矛盾だらけなので、デジタルに相応しい新しい利益配分のシステムと法律を作ろうというのが、先端のインターネット・ビジネス側の意向である。

特に、既にできているコンテンツの利権を守ることは、新しいコンテンツの創造を邪魔している可能性がある。

なお、国内音楽配信市場にアップル包囲網 シード・プランニング調査 – デジタル – 日経トレンディネット という記事を読むと、ガラパゴスというか幕末の攘夷論というか、あまり精神がワクワクしないのだが、私だけだろうか?

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