アンドロイドは電気羊の夢を見るか? モトローラがグーグルAndroidに夢を見る

モトローラと言えば、私はMacintoshから知った社名である。

創業者であり権力闘争で追い出されていたSteve JobsがAppleに返り咲き、今はIntelのCPUを採用してiMacなどが順調に売上を伸ばしているが、前はモトローラとIBMが開発したPowerPC(CPU)を採用していた。

またPowerPC時代のMacintoshは冴えない有様で、Windows 95登場で決定的に敗北したAppleの取締役連中の主たる業務は、健全な経営とか再建とかではなく、権力闘争と他社への売却交渉だったようだ。

結局、歴史に必然というものはなく、後付けで意味が付与されるだけで、Jobsの復帰がないタラレバの話ではAppleはキヤノンかIBMかサンに吸収されて、われわれはiPodもiPhoneも手にすることはなかったかもしれない。決定的なところでは偶発的な事件・事故・イベントがものをいう。

Jobsそのものが偶発性の体現者であるが、モトローラも偶発的なGoogle携帯にのめり込むようである。

  • TechCrunch Japanese アーカイブ » 万策尽きたモトローラ、Androidに社運を賭ける?

AppleやGoogleなどの畑違いの企業が、携帯電話業界に参入して波風を立てるというのは、停滞気味の産業や市場に活性化をもたらす偶発的な破壊的イノベーションとなる可能性が高い。

これは、世界史的に大所高所から見ると、情報革命のミッションを伝道しているインターネットが引き起こす大航海時代のようなものである。
インターネットを知らない・慣れていない産業・市場の先住者は、いいように侵略され蹂躙されるのである。

携帯してビジネスに利用できるインターネット端末

私がiPhoneを買ったのもMacを携帯したかったからである。もちろんインターネットを利用できるMacをである。

一方で、Eee PCなどのミニノートもよく売れている。

iPhoneを日本の携帯電話の側からレビューしたり、ミニノートをPCの側からスペック比較したり、まったく先住者の発想ばかりで絶滅危惧種そのものである。

このジャンルの真の侵略者の姿は、モバイル・インターネット端末になるはずだ。
よって、モバイル・インターネット端末のOSを持っているところが支配者になる確率が高い。

Google、Android携帯にもChromeブラウザを搭載へ – Engadget Japanese

GoogleのウェブブラウザChromeは現在のところWindows PC用のみですが、今後はスマートフォン向けのAndroid OSにもChromeブラウザが採用される計画が明らかになりました。

デスクトップのChromeもAndroidのブラウザもオープンソースのフレームワークWebkitを採用しているため、関係としてはおなじく WebkitベースのMac版SafariとiPhone版Safariのようなもの。今後はデスクトップでも携帯でもGoogleのブラウザは 「Chrome」として、ブランドと開発リソースの有効活用を狙ってゆくようです。

iPhoneも、売れてないとか、絵文字とか、ワンセグとか、おサイフケータイとか、ガラパゴスケータイの先住者たちがやかましいが、世界的にはよく売れている。

そして、Androidにも行列ができたそうである。

  • アメリカで「行列のできる携帯電話」続々 – Tech Mom from Silicon Valley

「グーグル携帯」登場は米国主導時代の幕開けか:NBonline(日経ビジネス オンライン)

実際にiPhoneやAndroidがどれだけ売れるのかはさておき、これまで「ケータイ後進国」と言われていた米国のIT企業が、携帯電話業界においてきわめて短期間で存在感を示すどころか、主導権を握り始めたことが注目される。

携帯電話分野に出遅れた米国IT企業の突破口は、インターネットである。iPhoneやAndroid端末の供給を通じて、パソコンがある書斎やオフィスと同じように、リビングルームや外出先でもインターネットを使いたいという消費者意識に訴えている。提供の対象は、特定の国や地域ではなく世界市場である。

Webkitは別としてAppleはプロプライエタリだが、GoogleはAndroidをオープンソース化している。つまりGoogleはモバイルのMicrosoftにはならない可能性があるということだ。

私は、ケータイでもなくミニノートでもない、モバイル・インターネット端末で第三の主役が出てきて欲しいと願う。それが、Android搭載かどうかは別として。

最後に、Google携帯のAndroidというネーミングは、かなりの確率で下記の著作から取られている気がしている。

フィリップ・K・ディック著『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

知る人ぞ知る「ブレードランナー」の原作である。

  • Amazon.co.jp: アンドロイドは電気羊の夢を見るか? : フィリップ・K・ディック: 本

作者のフィリップ・K・ディックは死後に名声が高まった人で、他に映画化されたものとして「トータル・リコール」や「マイノリティ・リポート」が有名である。

アメリカは、大人がSFを書き、大人がSF映画を作り、大人が読んで観る。
これも、偶発性や破壊的イノベーションのエコシステムであろう。

ちなみに、フィリップ・K・ディックをSF小説として読むと、あまりおもしろくない。彼はどちらかというと純文学である。
だから、既に「ブレードランナー」を観た人は、それを刷り込んだまま原作を読まない方がいいと思う。

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