Google脳とYahoo!脳 ヒューリスティクスとアルゴリズム・ペナルティ・スパム

今回のエントリーは、やや"あやしい"。それを承知して読んでいただきたい。

私は、「TDPはない」とか、「ペナルティという言葉はおかしい」とか、そういう声が上がっていることに、大きな驚きを禁じえない。

商用サイトにとって、SEOをしたはずのサイトトップページが、日本でシェアの高いYahoo!で検索されないことは、ビジネスとしての死活問題である。

ビジネスだけを考えるならば、用語用法の正邪や原因追及とかはどうでもよくて、さっさとトップページが検索されるようになれば、それでいいのだ。

よって、トップページが検索されないという不具合が生じていないサイト、Yahoo!検索経由によるアクセスが売上・利益(あるいは生活・生存)に直結しない非商用サイトなどが、知らないもの、体験していないもの、ダメージではないものに対して、とやかく言うことでもなかろう。

まあ、そういったシロートや、生活のかかっていないバイト的アフィリエイト、趣味道楽のSEOフリークなどは、放っておく。

問題は、SEOのプロやエキスパートにおいても、つまり執筆やセミナーやコンサルティングによってお金を取っている人たちでも、"私"がおかしいとおもうような解釈と対策を開陳していることである。

Google脳とYahoo!脳の決定的な違い

さて、さらに"妄想"をたくましくしていこう。

Google脳というのは、ユーザーベースでは、気になることはすぐに検索するような人の脳のことかもしれない。

よって、本を読むとか、専門家の話を聞くとか、昔ながらのアカデミックな方法論を採らない、現代人の傾向でもあるだろう。

Google脳の人間が増えることは、学者の権威を落とし、著作権を否定し、いろいろなジャンルでの20世紀までの既得権益が破壊されていく。

Yahoo!脳というのは、ユーザーベースでは、自分で検索するよりはむしろ、テレビ的な情報の一方的享受を待つような、ポータルで何もかも間に合わせたい人の脳のことかもしれない。

ユーザーベースでは、Google脳は能動的、Yahoo!脳は受動的と言えるだろう。

さて、ユーザーの脳は今回は問題にしない。

取り上げたいのは、SEOのエキスパートやプロの、Yahoo!対策のことである。

Google脳のSEO

Yahoo! JAPANがウェブ検索でGoogleを採用していた時代を含めて、ずっと前から検索エンジン対策をやっていて、成功体験を積み重ねてきたような、SEOのエキスパートやプロがいる。

彼らのSEOが対象とした主たる検索エンジンとは、もちろんGoogleである。

Google対策で成果を上げてきたSEOのプロ・エキスパートは、Google脳を持っていると仮定する。

Google脳によるSEOでは、たとえYahoo!のことでも、キーワード出現率やキーワード近接度などの用語を使うことはない。

Googleでもテキストベースの、SEO対象ページのコーディングの評価があることは認識している。だが出現率や近接度をことさら意識してSEOをやることはない。

そしてもちろん逆に、リンクだけとか、アンカーテキストオンリーで、上位表示できると考えているわけでもない。

PageRankも含めて100も200もあるうちのそれぞれでしかないと把握しているからである。

よって、Google脳のSEOは、キーワード書き込みだけ、リンク量産だけといった、部分的で単発的な対策ではなく、必ず総合的に網羅的にトータルとしてSEOをやっている。

Google脳のSEOは、旧InktomiなどをベースにしたYST(Yahoo! Search Technology)であっても、対策の方法論は同じである。

さらに念を押しておくが、テキストベースの評価がGoogleよりも高い(もしくは違っている)ようなことも織り込み済みである。

もうひとつ、方法論が同じであって、対策が同じわけではない。

ただ、Google対策と同じように、評価項目をYST仕様にして、内部要因・外部要因をトータルで捉えてSEOをやるのである。

Yahoo!脳のSEO

Yahoo! JAPANがGoogleからYSTにウェブ検索のエンジンを切り替えてから、本格的にSEOに参入しているようなプロやエキスパートの人たちは、Yahoo!脳ではないかと思う。というか、そう仮定する。

Google対策での成功体験がないし、その時にSEO理論を構築していないので、彼らが語るSEOは、ぶつ切りの場当たり的で対策としての全体像というか、軸が見えない。

内部リンクや外部リンクを同時に俎上に載せずに、キーワードの書き込み具合をクローズアップし、出現率とか近接度とか重要視することは、Google脳SEOには理解不能である。

多分決定的なのは、SEOのGoogle脳はユーザーでもGoogle脳だろうから、インターネットの黎明期からWebを徘徊し、情報収集のイノベーションを体験しながら、ここでビジネスとしてのSEOに参入しているはずである。

逆に、SEOのYahoo!脳がユーザーでもYahoo!脳だったりしたら、みずから実験検証せず、海外のSEO情報をある時期に拾い集め、それで商売してる…

アルゴリズムとヒューリスティクス

検索エンジンの順位付けのルールは、アルゴリズムと呼ばれている。アルゴ(Algo)と短縮されることもある。

もちろん、わが社の社名の由来でもある。ただし、検索アルゴリズムの方は「algorithm」、SEO塾の方は「algorism」である。ドメイン取得済みだったので仕方ない(笑

ところで、検索会社はこのアルゴリズムを公開していない。部分的にリークすることはあるが。

よって、SEOでアルゴリズム、アルゴリズムと叫んでいても、実際、われわれは永遠に知ることのできないものをアルゴリズムと称しているわけである。

さらに私は、GoogleやYahoo!などの検索会社の中の人でさえ、アルゴリズムの全貌を知ることも把握することもないと思っている。

一方では、数多くのプログラマーが寄ってたかって作り上げているから、各個人は全体像を俯瞰できないだろう。

さらに他方で、そういったプログラマーのボスでさえ、例えば20~30のキーワード検索のSERPsをそれぞれ見て、あるページが7位であって6位でもなければ8位でもない、その明確な理由を述べてくれと問うたなら答えに窮するはずだ。

こういう考えに立つならば、地上の人間の誰も検索アルゴリズムを全体把握していないのだから、さも分かったように「アルゴリズム」という言葉は使えなくなってしまう。
ペナルティが、ほんとにペナルティかどうか分からないのだから、「ペナルティ」という言葉は使っちゃいけないと言う人がいるように。

そういった屁理屈はともかく、鋭意のSEOはどのようにアプローチしているかというと、おそらくヒューリスティクスという手法になるだろう。

ヒューリスティクスは、アルゴリズムの反対語である。

アルゴリズムが寸分の狂いもなく正確に解答にいたるものであれば、ヒューリスティクスは厳密さはないものの、それなりのレベルで正解にたどり着くものである。

分からないもの、分かりようがないものには、結果や現象を分析対象にするしかない。ここで、演繹的か帰納的か、思考も分岐するだろう。

ちなみに、アルゴリズムはアラビアの数学者アルフワリズミー(al-Khwarizmi)の名に因んでいる。
ヒューリスティクスはギリシャのアルキメデスが「発見した」と叫んだときの原語heureka(エウレカ、ユリイカ)に由来するという。エウレカセブンがこれに因んでいるかどうかは知らない(笑

何にせよ、検索結果(SERPs)という現象から、これをもたらす背後の"神の言葉のようなもの"を探り出さねばならないのである。

ここで分析に入るとき、ヒューリスティクスかどうかは別として、Google脳とYahoo!脳で方法論が違っているから、それぞれが想定する「アルゴリズム」も大きく違ってくるわけである。

さらには、関連性のあるリンクとか、テーマとかも、明確な定義を未だに聞いたことがない。

「あいぽっど」というキーワードが、タイトル、メタタグ紹介文、h1にあるページは、「あいぽっど」のテーマのページと言うのか?
タイトルとメタタグ紹介文だけのときは?
タイトルとメタタグ紹介文には「あいぽっど」があるけど、h1には他のキーワードで、h2だけに「あいぽっど」が書いてあるときは?
タイトルやメタタグや見出しタグには「あいぽっど」は書かれていないけど、本文に「あいぽっど」が50回書かれていたら、これは?

リンク元も同じ精査が必要だ。

ヒューリスティクスだけに、正解が出ない以上はアルゴリズムに近かろうが出鱈目だろうが、永遠にシロクロ決着がつかないのである。

ペナルティとスパム

スパムという言葉も定義があいまいである。というか考えなしに使われている。

おそらく、検索順位がダウンする違反行為ということだろう。

さて、不審な順位ダウンの原因としてスパムを挙げることができるだろうが、スパムが必ず下落するとは限っていない。

そして、順位下落の原因となったスパムに対して、ペナルティを受けたと表現した場合、ペナルティを受けるものはスパムとは限らない。

こうして、アホみたいに厳密な用語用法に耽ってしまうと、趣味道楽のSEOなら構わないだろうが、商用サイトでSEOがビジネスの生命線にもなってきている場合は、こういう言葉遊びは無視した方が生産性が上がる。

SEO塾では、SEOとして頑張ってやっていたことの一部が、検索順位の下落につながったとき、その現象に対してペナルティを受けた、ペナルティが発動したと表現する。

実際にペナルティかどうかの精査は必要ない。結果としてリカバリーができれば、商用サイトはそれで大成果なのである。

スパムだろうが、過剰SEOだろうが、あるいはたまの過少SEOだろうが、SEOをやり続けて上げた順位が大きく下がったときは、ペナルティと言うのである。別に「減点」でも「不適切」でも「非最適化」でも何でも構わないのだ。
現象を表現する、ただの"記号"である。

だから、SEO塾には用語として、ペナルティはあるが、スパムはない。
すべて、ヒューリスティクスSEOの便法としての用語である。

SEO塾/(株)アルゴリズムは、商用サイトのSEOをコンサルティングする。よって、このブログの購読層も商用サイトのオーナーを想定している。

商用サイトのお役に立てたなら幸いである。

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